KURONEKO'S room

いらっしゃいませ。

ここはクロネコの小説です☆

11話

 
−消えかけ(U)−

一方、ネオンは馬鹿にした様子で鼻を鳴らす危険な男を、尚も言い足りないといった様子で睨みつけていた。もちろん、そんな勇ましい気持ちからくるものだけではなかったのだが。

 

―きっと、こいつは私も殺すつもりなんだ。

 隣の人がどうなっているのかはよく分からないけど、

 たぶんゴーストだ!前にマークおじさんに聞いたことがある!―

 

ネオンは、ネオンの育った村である月村に住む、ネオンが原因でサングラスをかけるのを止めてしまったという渋顔のマークさんの言ったことを思い出していた。

 

 

『俺は学生の頃に学生寮に住んでてよ。でな、当時寮長をしていた俺はいつものように各部屋の班長の確認報告を取るために寮生たちの部屋を見回っていたんだ。俺らの寮では伝統的に決まりがあってよ、下の階は先生が確認して、上の階を確認した寮長と先生が階段で最終報告をし合うってな段取りだったんだよ。

 

 でな、あの日もいつものように俺は確認をしてる最中だったんだが、ギシッて階段の軋む音が聞こえたもんだから先生がもう確認終えて階段で待ってるって思ったんだよ。まぁ、いつもの流れだったんだ。

 

ん?

どおしたネオン?

 

らしくない感じだな。あぁ、寒いのか!

これでも飲んで暖まっとけよ

 

 

で、話の続きなんだが・・・

 

だから俺は急いで確認してたんだけどな、その最中にもギシッギシッて音がしてたんだ。俺が遅いから先生が見に来たんだな。とても時間には厳しい先生だったし面倒見の良い人だったからな。確認の終わった俺は階段の方へ歩いていったんだがおかしな事に誰もいなかったんだ。だけど俺は誰もいないはずないと思って階段と廊下の手すりに体重をのせて乗り出してみたんだが、先生はいなかったんだ。しばらくそこで見てたんだが、疲れて壁にもたれ掛かった瞬間・・・見えたんだ。

 

俺がさっきまでつかまってた手すりの下にしがみついている透き通った体をした女のゴーストが白目を剥いて俺を見ているのを・・・!!!

 

そして、その女は這うようにして動きだ・・・・・・・。・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!あれっ、どうしたんだネオン?

 

そうか、ネオンにはちょっと怖すぎたか!止めだ止めだ。だからもお大丈夫だ大丈夫だ。』

 

ネオンはこの時、マークさんの話が怖すぎて最後まで聞いていることができずに咄嗟に耳を小さな手で懸命に塞いでいたのだった。マークさんは慌てた様子でネオンをなだめ、一緒にいたキャシーさんはそれを見てケラケラと笑っていた。少し離れた所で聞いていた冗談好きのカッドダレズおじさんはネオンに向かってわざと這うような格好で向かってきたものだからその後は大変だった。

inserted by FC2 system